お子様に多くなっている口腔機能発達不全症とは

 

口腔機能発達不全症とは

新生児からの呼吸、嚥下の正常発達の遅延、機能低下のことを言います。
小児の口腔機能発達の評価と対応
チェック項目は以下を参照

 

食べる機能

1)咀嚼機能 咀嚼機能発達の不全は、摂食機能全般に影響を及ぼし、その結果、摂取可能食品の制限、栄養不良等 の全身の問題につながる可能性がある。そのため、口腔機能発達不全における咀嚼機能の重みづけは大きい。 咀嚼機能については、視診による歯冠崩壊歯(重症う蝕、破折歯)・喪失歯の有無、歯列・咬合の異常 の有無を確認する。また咀嚼時の偏咀嚼の有無、咀嚼回数、咀嚼時の咬筋を触診する。

歯の萌出に遅れ、歯列・咬合に問題がある
・咀嚼に影響のあるようなう蝕がある 
強く咬みしめられない(注:乳児期は離乳食を摂取する際の機能に対して月齢相当の発達に比較し て判断する) 
・咀嚼時間が長すぎる、短すぎる(注:乳児期は離乳食を摂取する際の機能に対して月齢相当の発達 に比較して判断する) 
偏咀嚼がある 
・その他の異常

2)嚥下機能 嚥下機能発達の不全は、成人嚥下(成熟嚥下)の発達に影響を及ぼし、舌癖により歯列・咬合の発達、 口唇閉鎖機能発達を抑制する可能性がある。 嚥下機能については、嚥下時の表情筋緊張の有無、舌の突出嚥下(異常嚥下癖)の有無を確認する。

舌の突出(乳児嚥下の残存)がみられる(注:乳児嚥下は、乳児期では正常(定型的)な発達過程 としてみられるので問題としない) 
・その他の異常

3)栄養(体格) 口腔機能発達不全からくる栄養への影響については、咀嚼機能や嚥下機能の不全により必要栄養量が 十分に確保できない「やせ」の状態になる場合、一方で咀嚼せず丸のみ早食いとなり「肥満」の状態と なる場合もある。 栄養については、極端な身長・体重の異常がないかを確認する。必要に応じて、カウプ指数・ローレ ル指数による評価(やせ、体重が増えない、肥満)、食事の内容調査(摂取栄養の調査)を実施する。

・成長発育に影響がある 
・カウプ指数・ローレル指数評価でやせ、肥満である 
・その他の異常

4)食行動 食行動の問題は多岐にわたり、個人因子と環境因子とが複雑に絡み合って生じる。成長とともに変化 しうるが、本人はもとより保護者の困りごと、悩み事に直結するため、生活全般に影響を及ぼす。 食べこぼしたり、むせたり、自分で食べようとしなかったり、偏食、食べむら等がないかを確認する。

哺乳量・食べる量、回数が多すぎたり少なすぎたりムラがある等
・その他の異常

話す機能

5)構音機能 構音機能は、口腔機能の問題のみならず認知機能発達とも密接に関連している。構音機能の遅れ、問 題は、家族や友人、社会生活におけるコミュニケーションや学校等での学習面にも影響を及ぼし、本人 の生活しづらさにもつながる。 口唇閉鎖不全、舌小帯の異常、顎の発育異常、咬合の異常の有無、発音時のパ・タ・カ・ラ・サ行の 子音の置き換えや省略、歪みの有無等を確認する。

・構音時に音の置換、省略、歪み等の異常がある 
口唇の閉鎖不全がある 
舌小帯に異常がある 
・顎の発育、咬合、顎運動に異常がある 
・鼻咽腔閉鎖不全がある 
・他の異常

 

呼吸する機能

6)呼吸の状態 口腔は摂食嚥下機能の経路のみならず、呼吸路として重要な役割を担っている。口呼吸は、口腔乾燥、う蝕、歯周病、口腔周囲筋の低緊張、歯列咬合の不正等、口腔機能発達に影響を及ぼし、また易感染、姿勢の不良、集中力の低下等、全身への影響にもつながる。 正常な鼻呼吸ではなく、鼻性口呼吸、歯性口呼吸、習慣性口呼吸の有無を確認する。

口呼吸の有無 
口蓋扁桃等に肥大がある 
睡眠時のいびきの有無 
・その他の異常

注)実際の臨床では、ここに示した項目だけでなく、成育歴、全身の健康状態、また家族歴や家庭環境 など、発達に影響する個人因子、環境因子について広く評価、対応することが肝要である。

 

以上のことが歯科医師連盟から公表されています。私は歯科ではありませんが、赤ちゃんを診る立場として、赤線の部分に値する赤ちゃんは経験してきました。

 

何かしらチェックがついてしまうママは多いのではないでしょうか?

 

 

口腔機能発達不全症の原因

こちらは生後2か月の時、ベビーマッサージに来てくれた赤ちゃんの口の中の画像です。舌小帯が短く、上あごに舌がつきません。舌を前に出すこともできませんでした、出せてもハートの形のようになります。(ハート舌)ママは、舌の状態に気づいていませんでした。

 

ママとの会話の中で、あまり泣かない、おっぱいを飲まなかったので、ミルクに変えた。などの話から、口の中を診たことで発見しました。
歯科の先生にも診て頂き、現在は舌のマッサージ、授乳姿勢、抱か方、寝かせ方で舌を上げていく指導をしています。ママの頑張りで、改善されていています。

 

このような舌小帯の異常を持っている赤ちゃんも、多くなってきてはいますが…

 

口を開けてしまう抱き方やうつぶせ寝、首をあげての授乳姿勢、スパウト、ボトル、ストローなどで、本来の機能(舌の機能)を持っているある赤ちゃんに、舌を使うことをさせないで舌の機能を低下させてしまうことも多いのです。

 

舌を使っていない→舌が下がる(低位舌)→舌が下がると舌の圧で口が開く(口呼吸)→嚥下ができない(乳児嚥下の残存)

 

口腔機能発達不全症の原因

  1. 乳児嚥下の残存
  2. 口呼吸
  3. 低位舌

 

乳児嚥下の残存を中心としつつ、この三つは複雑に絡み合い、お互いがお互いの原因となっています。

 

乳児嚥下とは

 

出生~生後6か月頃まで存在する原始反射の一部です。簡単に言うと、水分の飲み込み方と固形物を飲み込み方は嚥下の方法は変わります。
水分の飲み方と言うことです。ですから、ご飯に汁物かけて食べる、軟飯、お肉が食べれない、こういったことも、乳児嚥下の残存を考えましょう。6か月までに、原始反射を存分に成熟させて、成人嚥下に移行して離乳食を進めて頂きたいのもこのことが理由なのです。

 

固形物を飲み込むこと=成人嚥下

 

乳児嚥下の残存が、口腔機能発達不全の主要な原因の一つになります。叢生、過蓋咬合、上顎前突、反対咬合などの不正歯列や口呼吸睡眠時無呼吸の原因も乳児嚥下の残存によるものです。

 

離乳期においても最も重要なことは、口腔の十分な機能的発達を促し成人嚥下にしっかりと切り替えることです。

 

まとめ

画像は発達支援コーチから引用

 

学習の土台、言葉を話すと言う機能、姿勢の土台が呼吸であること!ここが、ホントに大切だと思っています!

 

 

呼吸させたい!しっかり酸素を多く取り込む身体、しっかりおっぱいを飲む、食べる身体、しっかり排せつできる身体、ぐっすり寝れる身体をママ達に作って頂きたいのです。

 

 

食べない、飲まない、泣く、赤ちゃんに負けないで欲しいのです。赤ちゃんだって、頑張れる力はあります。何度もやれば必ずできます。赤ちゃんは凄いです。

 

 

現代のお子様に多くなっている口腔機能発達不全症とは、言い換えれば、食べる、話す、呼吸ができていないということです。これでは、発達の土台は、できていないのと同じことです。ママが、こどものできるを信じて、世間の常識と言われている常識にとらわれないで、離乳食を進めていくとが必要ではないでしょうか?

 

お子様に、何を、どのように食べさせていますか?どのように育てたいですか?

 

 

私が、全力でサポートします!

 

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です